実家からどっさりとそらまめが送られてきた。
開封と同時に家族全員「イエーイ!」の歓声。
と言うのもわが家において「そらまめの天ぷら」は不動の人気メニュー。
塩ゆで、ガーリック炒め、いろいろ試したが、ここ数年は天ぷら一択。
年に一度のそらまめ天ぷらパーリー、開幕である!
その中身、わずかにつき。
さっそく家族総出で、そらまめの皮むきスタート。
まずは外側のサヤをむき、豆を取り出す。ここで終わりではない。
そらまめは「薄皮が厚い」のである。
この薄皮、塩ゆでなら薄皮つきでゆでて食べる直前にむけばよいが、
天ぷらの場合は、事前にむいておく必要がある。これがなかなかのクセ者。
爪でぐいっとやらないとむけない上、力を入れすぎるとまめ本体が崩壊。
薄皮むきは、大胆さと繊細さが求められる職人技の世界なのだ。
とはいえ、我が家はそらまめ天ぷら歴5年以上。
薄皮むきも手慣れたもの。
家内制手工業のスタイルで皆、無言でどんどんむき進める。
・夫と娘2号(4歳):外側のサヤむき担当(※薄皮むき認定未取得)
・私・娘1号(10歳):薄皮むき担当(※認定取得済み)
むき終わったそらまめを見て驚愕。
身ぐるみはがされたそらまめはほんのわずか。隣には皮の山。
どでかい見た目に反してそらまめの可食部は驚くほど少ないのだ。
あの「そらまめくんのベッド」の絵本でおなじみのフカフカのベッド、
どんだけ中身を守っているのよ?
そんなフカフカのベッドに眠る高貴なおマメ。
ありがたや~。ありがたや~。

そらまめって、なぜ高級?
そらまめの値段に「ちょっと高くない?」と思ったことはないだろうか。
その理由、実はちゃんとある。
★天候に弱すぎる
そらまめは、晴れすぎてもダメ、雨降りすぎてもダメ。
まるで繊細で気まぐれなプリンセスのように、ちょっとした天候不良で生育がストップ。
結果、市場に出回る数が少なくなり、価格が高騰する。
★鮮度が命。すぐ味が落ちる。
収穫したそばから、味も風味がどんどん落ちていく。
そのため、出荷タイミングを外すと即アウト。
スーパーで見かけたら「今がチャンス」と思って間違いない。
★収穫効率が低い
1サヤにせいぜい2〜3粒。
大量にそろえるには、めちゃくちゃ手間と労力がかかる。
そのぶん、人件費なども上乗せされてしまうのだ。
★旬が短い
そらまめの旬は4月〜6月のほんのわずかな期間。
「今しか食べられない」と言われると買いたくなるのが人の性。
その希少性も価格に直結しているのである。
そんな高級そらまめを、実家の父母は惜しげもなく大量に送ってくれる。
立派なそらまめの姿に高齢の父母の「オレたちまだまだ元気だから、心配すんな」
というメッセージが込められている気がして、胸が熱くなる。
いざ、そらまめの天ぷら!
◆材料
・そらまめ(薄皮むいたもの)
・「コツのいらない天ぷら粉」の衣 ←コレ、サクサクに仕上がります。
・油
・塩(仕上げに)
そらまめに衣をつけて180℃の油で揚げるだけ。
とてもシンプルだが、ポイントは「1粒ずつ揚げる」こと。
まとまっていると仕上がりがべちゃっとしがち。
1粒ずつ揚げればカラっと仕上がり、子供にも食べやすい。
揚げ時間は3分程度。
アツアツのうちに塩をパラリ。
ホクホク甘い、旬のごぼうび
サクサクの衣をかじると、
中からホクホクした食感と自然な甘みがふわ~っと広がる。
冷たいビールなんぞあれば、もはや言葉はいらない。

まとめ:旬のそらまめ、今がチャンス!
そらまめは、短い旬の間しか味わえない、まさに季節のごほうびである。
「ちょっと面倒そう・・・」と思っても、薄皮むいて天ぷらにする価値アリ!
揚げたてをハフハフ食べる、あの瞬間。
初夏ならではのちいさな幸せでなのある。
スーパーでそらまめをみかけたら、次の日にはもうないかもしれない。
そらまめの天ぷら、ぜひ一度、試してみて頂きたい!