4歳の娘を保育園に迎えに行ったときのこと。
娘が目を輝かせて「おさかな作った~!」と見せてきた。
……おさかな?
手にしているのは、トイレットペーパーの芯に緑色の折り紙をペタペタ貼ったもの。
どんなに想像力を働かせても、「おさかな」には見えない。
それでも、娘の気持ちを壊したくなくて――
「わーーー、げんきにおよいでいるみたいーーーー」
抑揚ゼロのコメントでやり過ごした。
玄関で靴を履いていると、同じクラスの子も「きょう、おさかなつくったの」と見せている。
どれどれこちらはどんな「おさかな」かな?と目をやると・・・
どっからどう見ても「おさかな」やないかーーーー!!!!
立派な魚の胴体に、キラキラ光る尾びれ。とても可愛らしい。
そのとき、私は我が子の「おさかな」をそっとカバンに入れてしまった。
同級生の子とお母さんから見えないように。
帰り道、娘の小さな背中を見つめながら、心の中で「ごめんね」とつぶやく。
〇〇ちゃん(4歳娘)の「おさかな」、おうちに飾ろうね。
「他人と比較しない」って、やっぱりむずかしい
「他人と比べない」
子育てをする中で、いつも自分に言い聞かせていること。
ありのままの我が子だけを、よそ見せずに愛したい。
そう思っているのに、現実はなかなかそうはいかず、後悔と反省の日々。
字が読める、字が書ける、英語ができる、計算ができる……
成長の節目節目で、どうしても他の子と比べてしまう。
自分のことは棚に上げて、娘に過度な期待をしては、
できないと「あれ?」と勝手に落胆する。
子どもの自己肯定感を守りたいと願いながら、
一番揺らいでいるのは、親である私の心なのかもしれない。
小さな「おさかな」が教えてくれたこと
娘の「おさかな」は、私の目には「?」だったけれど、
娘にとっては世界でひとつだけの、大事な作品だった。
貼り付けた緑色の折り紙。
「かーちゃん、好きな色でしょ?」と。
・・・そんなこと考えてくれていたんだ。
(そういえば私は緑色が大好きで、このブログのアイコンカラーも緑だ)
小さなアタマで一生懸命考えて作った作品。
誰かと比べてはならないのだ。
とはいえ、比べてしまう気持ちは、この先もきっと完全には消えないだろう。
それでも、まずは私が娘のありのままを全部受け止められるように――。
カバンに隠してしまったあのときの後ろめたさを、忘れまい。
そして今、その「おさかな」は我が家の棚に飾られて、
今日も元気に“泳いで”います。
今回は、思わずモヤモヤを吐き出してしまいました。